午前1時のレモネード

翌朝の化粧ノリより、夜更かしの楽しさが大事。

思い出の整理

『君と見た夢が終わる夢を見たよ』

今が思い出に変わった頃、例えば10年後くらいに、17歳の頃を思い出した時こんな気持ちになるのかな。 そう思いながら聴いていた曲だということを、夕暮れの街を歩きながら、シャッフル機能でイヤホンから流れてきた10年後の夏に思い出した。 たぶん別に何か…

夏のあかるい浴室の匂いについて

実家の浴室から、昔好きだった人の部屋の匂いがした。 春が終わる頃の夜、湯気混じりに嗅いだ匂いだったけれど、なぜか夏の昼間、がらんどうな空間に透明な陽光が差すあかるい浴室を思い出す、たぶん浴槽洗剤の匂いだった。 匂いの記憶は五感の中でも強いと…

生地と生家を愛するように、家族を愛せればよかった

実家を出てもうすぐ7年、懺悔のように願っていることがある。 家族のことを、家族だという事実だけで愛せればよかった。愛せる人になりたかった。 高校を卒業して大学に進学する18の春まで、生まれ育った街は好きだ。そこで通った学校も、出会った友人や先輩…

「思い出になんてすると、星になって輝くから」

君の願いが どうか 粉々に砕けますように きれいな思い出になんてすると 空にのぼって いつまでも星みたいに輝くから ハチミツとクローバー / 野宮匠 私の大好きな漫画の、大好きで大嫌いな台詞だ。 初めて読んだ中学生だった頃には、思い出が輝いちゃダメな…

そういえば私、もう女子高生じゃないんだった

久しぶりに、自分が高校生をしている夢を見た。 現役高校生だった頃から、大学時代もそして今になっても、制服を着た自分がどこかの教室にいるのは定期的に見る夢ではある。 私にとって目覚めた後にも「ああ訳も分からないけどなんだか楽しかったなぁ」と思…

あの頃夢みてた場所に半分だけ辿り着いてみた話。

生まれた街で暮らしていた高校生までの頃、私には可愛すぎて可哀想になりそうなちっぽけな夢があった。 ベタな田舎者の憧れすぎて恥ずかしいそれは「駅と無印良品とスタバが徒歩圏内にある場所に住む」。 なぜってその頃の私にとって、都会の象徴は無印良品…

大人になることの意味がわかった気がしたのだよ

転職に伴う有給消化のおかげで、このところの私は社会人でありながら夏休みを満喫している。 大学生の頃は2ヶ月くらいあった夏休みだけど、正直なところ遊んだり出掛けたりするお金もなかったので、ただただ時間だけを持て余していた。 「学生の頃は時間があ…

ストレスで五感を狂わせて、人のメンタルの壊れやすさを知った話

先に言ってしまえば、今の私はなんとか心身ともに健康だ。 だけどそれでも、大学に入学しひとり暮らしを始めてから、自分でもびっくりするほど体が弱くなった。 具体的に言うと、中学高校と皆勤賞を取っていたくらい風邪には無縁だったにも関わらず、大学に…

わたしにとっての神様はきっとその人の形をしている。

その人が亡くなって、今年で10年が経った。 わたしは今23歳だから、まだ人生の半分以上はその人と共にある。 だけど、その20年ぽっちの人生さえ「その前」と「その後」で120度くらい様相を変えていて、「その頃」のわたしはそれこそ信仰の拠り所を失ってしま…

井の中の蛙は大海の夢を見るか

少なくとも。私が蛙だったら、世間なんて大海は知らなくてよかった。知らない方がよかったかもしれないと、今思っている。 井の中という生まれ育った場所で満足していればよかった。こぢんまりしながらそれなりに満ち足りた、自分にとって優しい世界で生きて…