午前1時のレモネード

翌朝の化粧ノリより、夜更かしの楽しさが大事。

申し訳ありませんは魔法の言葉じゃない

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まだ頭が働かない月曜、朝9時前。

「だからさ、さっきから『〜かと』だの『おそらく〜』だとか、なんで断言しないわけ?」

「その言い方ってさ、ウチにも非がある『かもしれない』ってことだよね?あなたの言い方ってそういうことになるよね?」

「御託はいいんで、ミスしましたって認めて謝ってくださいよ」

といったような台詞が耳を流れていくのは認識しているんだけど、どうしたらいいか分からない。つまり何だ?この人は何をしてほしいんだ?なんて言ってほしいんだ?って謝ってほしいのか。

 

思考がそこに辿り着くまでに、恥ずかしながら「ええ」「はい」「申し訳ございません」を口の中でモゴモゴと動かしながら約1分かかった。

学生時代、教師に本気で叱られている時なんかにたまにあった、ふと冷静になって「今なんでこんなに叱られてるんだっけ」と考えてしまうような状態。あれに一瞬囚われていた。目の前に感情的になっている人がいると、なぜか反比例したように冷静になってしまう、あれ。

あーそういえばクレーム対応マニュアルには「とにかく謝罪に徹して、相手の言い分を全面的に聞くこと」「でもとかだってとか口を挟まない」とかあったなぁ、ですがって数回言っちゃったなぁ。

そっか、あれがダメだったのか。理由なんてどうでもよくて、「ただそちらのミスで自分まで上司に怒られたんだけどどうしてくれるの謝れよ」って溜飲を下げたかっただけか。なるほどそんな感じかな。

 

と、私の心情をつらつらと語ってしまったけれど。

要は、金曜日に発注を受けて月曜日に納品されるはずだったものが、営業さんが発注先を前の担当者様と間違えたままだったので注文が通っていなかった。そういったミスだった。

それで、発注を受けて営業に伝えた私にお怒りの電話が来た。アンタちゃんと伝えますって言ったよね?担当も変えましたって言ったよね?と。

はい。伝えました。担当も変更しました。私が処理できる発注書上は。なので、あとは営業しか処理権限のない社内の発注システム上でのミスしかない。とはいえそんな社内事情なぞお客様の知ったことではないので割愛。

よって「とにかく弊社のミスであることは間違いございません、申し訳ございません。ただ具体的な原因が現状憶測でしか申し上げられませんので、確認し営業担当から折り返しご説明と対応をお伝え致します」とフワッと伝えたら冒頭。

 

 

私としては「こちらのミスではあります」と非は認めた上で、自分のしてないことを勝手に全肯定も全否定もできないから「原因が憶測でしか分かりかねますので確認し回答します」と説明したつもり、だった。

勝手に全面降伏かつ断定調でしゃべって、後からやっぱり違うとなってさらなるクレームにしたくないからリスクヘッジをしているつもりだった。曖昧にしているのは「責任の所在」ではなく、断定しかねる「事故の理由」のつもりだった。

だけど「どんな理由でミスが起きたのか」を説明することを律儀だと思っているのは私だけで、理由より何より大事なのは謝罪だったようで。

私の「説明」は、どうやら人によっては「言い訳」にしか聞こえないらしい。時々気付くのに、また忘れてしまっていた。

 

なんで断定調で喋らないと相手の非も仄めかしていることになるのか、まずそこが分からなくて謝る以前に思考が止まっていた。

あと謝るのも大事だとは思うけど、経緯を説明しなければ解決策だって説明できないじゃないかとも思う。エトセトラ、エトセトラ。

こうやって、非を認めるより謝るより先にあれこれ考えてしまうから「素直じゃない」だの「可愛げがない」と言われるのだ。

ああ、そもそもなんでそんなに謝らせたいんだろう。自分は悪くない、被害者だという証拠がほしいのかな。

って「謝罪と共に経緯を説明する」私も、もしかしたら「謝るより言い訳をする」奴だと思われてるのかな。なんでそんなに自己保身に必死で謝らないのかと思われてるのか、それは嫌だな。

 

もちろん、認めろと言うなら私にも当然非はある。「伝えたら後は大丈夫だろう、それでいつも大丈夫だから」と伝言ゲームの行く末を見届けなかったのが悪い。

いつも大丈夫、は100%ではなくて、その数パーセントが今回かもしれないという意識が足りなかった。

ただこの「こういう理由でミスしました、ここに私の非があります、申し訳ございません」論調も「そこ以外は悪くないってことかよ」と曲解されるんだろうなとうっすら諦めさえある。たぶん今回も「私は原因わかんないです、悪いのは営業です」と聞き取られたんだろう。

別に、謝ったら加害者で謝らせたら被害者だとも思っていないから謝るのはいいんだけど。

こんな小娘の「申し訳ございません」に、責任もない人間の「全て私どものミスです」に何の価値があるんだろう。それなら建設的な原因と解決策を聞いた方がいいんじゃないかと思う。

 

なんて考えが頭を過るから、引っかかったような「申し訳ございません」しか言えなくてまた誠意が足りないと不満がられるんだろう。

というわけで、謝れば済むと思っている奴でもなく、申し訳ないと思っていなさそうな奴でもなく、真摯に謝罪している雰囲気を通話越しでも出せる社会人になりたいなと密かに思う。

でも率直なところ、他の作業が全て止まるし感情的になるし、な電話とか極力したくないのでもうメールで何事も完結させたい。そもそも論として、謝罪なんてしなくていいようミスなく生きたい。無理だけど。

 

ちなみに私は、基本的に日本のビジネスパーソンはあまねく社畜気味であり、あまねく不機嫌でとにかく多忙だと思うことにしている。

だから相手方がちょっとギリギリで仕事をしたり、話を聞いてくれていなくても「お互い様だよね!めちゃくちゃ大事じゃないことは忘れるよね!忙しいし!」と広い心で思えるんだけど、世のビジネスパーソンの皆さまはそうでもないみたいで俺ファースト気味だ。

こんな世の中だし、個人的には「申し訳ございません」よりも「お互い様ですよね」が切り札になればいいのにと思う。誰かに謝らされて、腹いせに誰かに謝らせるみたいな、誰も気持ちよくない負の連鎖は断ち切った方が誰もが幸せになれるのに。

 

なんて、やっぱりホントは謝りたくないみたいな文章しか書けなくなってきたのでもうやめよう。

多忙な月末はもうすぐそこだ。というか2月は短いからもう明後日だ。これ以上謝らずに済むようにあと数日間を乗り切る。そうしたらやっと3月が、待ち望んだ春がやって来る。