「いい女」として恋されるより、「いい奴」として認めてほしい。
タイトルが結論なんだけれど。
これが私の人生のスタンスで、人間関係において恋愛はゼロベースから始められるものではない。最低限、人として「いい人」だと自分が思えて尊敬できて、異性としてどうかは抜きにしてまず「いい奴」と人間性を評価してくれてる相手と交際したい。
何なら、5人の男性に「いい女」だと言い寄られるより、気軽に声をかけて近況報告して駄弁れる「いい奴」な男友達が5人いてくれる方が嬉しい。
現状わりと叶っている目標ではあるのだけど、やっぱりそこまで仲が良いわけではない異性・結婚をしてほしい身内からは「彼氏がいない」お前はイコール「いい女」じゃないよね、と扱われることが多くてしんどい。
いい女ではないと判定されることは別にいいのだけど、それだけで「一般的な成人女性として振る舞えない不合格な不良品」で、人間性にまで価値がないというような扱いをされるのが本当にいやだ。
この歳になってこんなことを言っているのは幼稚なのかもしれない。それでも少なくとも、最初から「異性として、交際相手としてアリかナシか」だけを判断して近付かれるのは未だに本当にダメだ。
今まで四半世紀、男性にも負けずに世間一般の平均よりはがんばってきたつもりの勉強や運動、磨いてきた思考と行動とか。そんなことはほとんど役に立たなくて。
いわゆる女子力がある、料理ができるできないとか、家事が好きだ嫌いだとか、子どもが好きだ嫌いだとか(私は小さい子は好きだけど育てる自信は微塵もない)。そんな生まれ持った性質みたいなもので勝敗が決まるっておかしくないかと、思う方さえおかしいのだろうか。
女子力を高める方に力を振れば生きやすくなると、知ってはいた上で世間に合わせてレールに乗るという大人の選択をしなかった私も悪いし、そもそも何と戦っているのかもわからないけど。
ただ少し、そういう努力がきちんと勤め先だとか年収だとかに反映されて評価される男性はいいなと、ほんの少しだけ思ってしまう。
「経験値を積んだ分だけレベルが上がっていって、HPやMP、もしくはATKとDEFの値が増える」みたいな分かりやすさが羨ましい。
以前「婚活パーティーなんかだと、その数値が高いカードを手に入れようとバトルが始まるんだよね、強いカードを手に入れてママ友バトルとかを勝ち抜く的な」と男友達に言ったことがある。
彼は「確かに俺はあの場ではカードだった」と言っていたけれど、それでも君は評価してもらえてるんでしょう、と少し羨ましかったとは言えなかった。
世間の多くの男性が理想とするであろう、小さくて華奢で可愛くて家事ができて内助の功を体現したような「彼女」「恋人」や「お嫁さん」にはなれないけど。
好きだから盲目的に肯定するだけじゃなくて、役割が違うからこそ言える言葉やできることをしていく「パートナー」にはなれると思うのに。
たぶんその役割は異性である必要はなくて、同性の上司だったり先輩や友人で代われてしまうんだろうな。
私はあくまで「同性の友人とはちょっと違って」でも「彼女や嫁ほど気を遣わなくていい」、ちょうどいい存在なんだろうと思う。
都合がいいとまで言わないけど、彼女がいない時には「異性と話せている」という事実と少しの安心感をくれる。気になる異性や彼女ができた時には相談相手や時には揺さぶりのダシにも使える。いや、やっぱり都合いい存在かもしれないな。
女だから甘えてるって思われたくない。女だからひとりで生きていくのが難しく厳しいことは知ってる。知っていても、同じように勉強して運動してきた男性陣に、女だからという理由だけで付いていけなくなるのは辛いし悔しいしさみしい。
会話の中で良いことを言ったら「優しくていい女」なんかじゃなく「よく物事を見て考えている奴」と、思考と言葉選びのセンスだけで見て評価をしてほしい。
女に生まれたら、さらに見た目が普通かそれ以上なら人生イージーモードなんて、半分本当かもしれないけど半分は嘘だ。確かに見た目で差別されたり不愉快な思いをすることはあまりなかったけれど、女であるというだけで意識して気を付けていかないといけないことや超えられない壁が多すぎる。
男になりたいわけじゃない。でも女であることは私を構成する一要素でしかなくて、最も重視して念頭に置くべきことなんかじゃない。ただそうあることを許されたいだけなのに、生きるのは難しい。