午前1時のレモネード

翌朝の化粧ノリより、夜更かしの楽しさが大事。

夢女子の才能がないので恋愛は向いてませんって話

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つまるところ、たぶん私だって、橋本環奈ちゃんとかガッキー似の美女とかに生まれたら、恋愛ストーリーの主役を張る自分を許せたんや。

でも実際は、この世界を生きている自分というアバターが大して好きじゃない。

でくの坊な喪女でしかない自己を投影した何かが繰り広げるラブストーリーなんて、私が視聴者ならお金を貰えても見たくない。自分を愛せる才能もないのに他人なんて愛せねえよ、残念ながら。

 

だからせめて、リアルでもソシャゲのアバターのごとく、課金でほいほい見た目を変えられたらなーー。

整形とかじゃなく、iTunesカードを買ってコードを打ち込むだけのカジュアルさで課金して、目の大きさとか位置とか色とか、髪型髪色、胸や背の大きさまで変えられたらなーー。

そんなことができないこんな世の中じゃ、ほにゃらら。というやつだ(JASRACこわい)。

 

で、そんな私とはおそらく対局の位置におられる、肝心の夢女子さんとはどんな方々かといえばこんな感じ。

夢女子とは (ユメジョシとは) ニコニコ大百科 スマートフォン版!

夢女子とは、主に二次元(架空)の男性キャラクターとアバター(自分の分身)またはオリジナルキャラクターの恋愛作品を好む女性や、男性キャラクターに夢中になっている女性のことである。 

私としては主に前者の意味合いで、特に自分にはできない芸当ができる方々だよなぁと思っている。

夢女子さんを全否定するわけでも喧嘩を売るつもりでも毛頭ないのだけど、自分は「二次元のイケメンキャラクターは脇目も振らずに、非の打ち所がない二次元の美少女と結ばれてほしい」派だ。そして憧れの高嶺の花であり、目の保養で幸せなカップルとして生きててほしい。

現実の高学歴ハイスペックイケメンも、同レベルにバリキャリな美女か、「将来の夢はお嫁さん♡~ハイスペックイケメン捕まえるために懸けてきました~」みたいなゆるふわ女子力の鬼と順当に収まるところに収まってほしい。

 

それなのにそんなイケメンが突然下界にやってきたら、惚れる腫れる憧れる以前に正直怯える。レベルの違いすぎる人種からの絡みはエイリアンの侵略的な敵襲でしかない。

仮に下手な女性より美人なのではというキレイなお顔の異性から甘い微笑みとささやきを受けたって、逆にこのイケメンどうかしてる!鏡に愛を囁いてる方がまだ分かる!と恐怖を覚える。私は。

いわゆるオタク男性に空から女の子は降ってこねえよと思うのと同レベルで、イケメンは一般女子に無条件にそんなに執着しないし惚れ込まねえよと冷める。それこそなんか悪い夢見てんだよ目を醒ませとめちゃくちゃ冷める。私は。

 

なんというか、端的に言ってしまうと。

この際イケメンかどうかは問わず、誰かに恋愛的な好意を持たれた時の私の感想としては

私の推しではない、このアバターを好きだと言うあなたが地雷です。解釈違いです。

このアバターに萌える気持ちにちょっと共感できません!!!むり!!!

この感情に尽きる。

 

悪いけど私の推しはあの子とかあの子なんや、もっと他にいい子おるねんで?よりによってこのキャラ?ないわー。私担拒否っすわー。同担しか同志じゃないの。

こんな感じです。好きなものが同じ人とは仲良くなれるとはよく言うけれど、他でもない私が私というキャラクターを大して好きじゃないので、私を好きな人とはあんまり仲良くなれない。

というよりは、中の人要素を出してないはず (のつもり)なのに好きだと言われるのが違うんだろうな。それアバターしか見てないじゃん、アバターのイメージだけで好かれてもなぁとなる。

 

私が先に好きになった人が私を好きになってくれるなら、好意の返報性としてまだ分かるのだけど、返してもらうものは何もないのに好きになってくれる人はちょっとよく分からない。

せめて友人だったら「変わったいい人だなぁ、でもそんなところも好き!!」と、二次元のキャラクターを一方的に愛するかのごとく勝手に推して懐くのだけど。

好意を告げられるのは、好意を返してほしい時が基本だから。一体このひとはこのキャラ(私)の何に夢を見て何を求めているんだろう、わっかんねえー、むり。とぞわぞわしてしまう。

 

それでもこうして生き続けている程度には自分というキャラを嫌いで全否定しているわけではないから、好きなところも多少はある。

ごくごく稀に、そんなところを好きと言ってくれる人がいると、なるほどと腑に落ちてやっと恋に落ちかけたりするのだけど。

こんな私を認めてくれる人だからこそ、誰もが憧れ認める、恋愛ストーリーの主役を張れる正統派ヒロインと幸せになってくれ。私はそこに至るまでの当て馬モブキャラで十分っすありがとう。と本気で思ってしまう。

いい人だからこそ、もっといい人と幸せになって欲しいよーと勝手に夢見てしまう。その素敵な優しい人の幸せな未来を想像して、でもそこに私はいない。

 

ヒロインぶって幸せな未来を無邪気に信じて笑ってなんかいられない。

よくていつか本物のヒロインが現れるまでの繋ぎだから、ヒロインが「好きになった人には彼女がいて―」と言って叶わぬ恋感を醸し出すけど、大してキャラも掘り下げられずキャラデザも固まらないまま連載10話目までには消えるそのスパイス要員な彼女だから。まだ連載始まってないだけだから。どこかでそうやって諦めている。

力不足で似合いもしないヒロインのアバターを自分の器だと信じて、自己投影して本気で夢を見る才能がない。お姫様とかお嫁さんとか、そういうヒロインっぽいものに自分がどれだけ遠いところにいるかくらい、他ならぬ自分が一番良く知っているのだ。

 

それでも本気で夢を見られる人は、強いと思う。でも直視できない。

共感性羞恥ってやつが近いんだろうか、私だったらこれ数年後に思い出して死にたくなるやつやー、ってとこまで勝手に想像してこっちが勝手に死にたくなる(得てしてそういうことができる人たちは、数年後に過去を振り返るなんてことはそもそもしないんだけど)。

身近なところで言うと、今だとT○ckt○kなんかで(美男美女でもない)学生カップルがイチャつく動画を上げていたりするけど、動画を上げる本人たちは元より、あれを見られるメンタルの持ち主たちはすごいなと真面目に尊敬する。

 

よく「こんなカップルに憧れる♡」とか言うけれど、憧れるという気持ちには必ず、少しは「自分もああなりたい」という夢を見る気持ちが含まれると思う(ああなれたらよかったのに、という諦めも含めて)。

「誰かの憧れになりたい」も、自分というキャラクターやストーリーに共感してほしい、こうなりたいと誰かに夢見られたい、という気持ちがあると思うし。

そうやって自分自身に多少夢を見られる才能がないと、恋愛なんてできないのかなぁと思うようになってきた。難しい。

 

自分で自分を愛する、幸せになっていいと許せて想像ができる、それもひとつの立派な才能なんだろう。

私は、自分に夢を見られる女子になりたいと、絵に描いたような幸せを掴みたいと、夢見るどころか憧れることすらできない。私にとってそこはある意味、二次元と三次元の隔たりくらい、遠く遠くにある幸せだ。

同じくらい遠いなら、やっぱりいっそ二次元に行きてえなぁ。そして美男美女正統派カップルをあたたかく見守る良いモブになりたい。

主人公たちの登下校を背景として賑やかす、モブ顔だけどカップルな女生徒Bくらいの幸せなら許せそうだから。来世でそうなれるように、今は人に迷惑をかけずにきちんと歩いて徳を積むのだ。