午前1時のレモネード

翌朝の化粧ノリより、夜更かしの楽しさが大事。

動き出せば、目まぐるしく世界は変わる。

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もうダメだと毎日のように思うから、何とかしなきゃと思い付くことを始めてみた。

目まぐるしい。びっくりするほど目まぐるしい。あくまで根が引きこもりな私にとっては、だけど。

勝手にハードルを上げてたけど、こんなに簡単に物事は始められるんだなと、視界というか世界が変わったような気がしている。

 

始めること自体は大したことじゃない。

「仕事が辛くてそろそろ心身が辛い」人なら考えたことくらいあるだろう、転職活動と病院通いだ。ちなみに「始めた」とは言っても、どちらもまだ予約段階。

それでも、連絡して接触できる予定を入れただけでも自分としては自分を褒めたい。

基本的に受け身でいたくて行動なんてしたくない、刺激も変化も求めないインドア派なんだもん(だからこそ受け身でいられない営業職で思い詰め始めているわけだけど)

 

それでも、こんな簡単なことでも私にとっては始めるまでにハードルがあった。

転職活動を始めるにあたってはエージェントへの登録をしたわけだけど、まず「『経験がなさすぎるし役立たない』と登録さえ断られたらどうしよう」という不安があった。

ダメなら次のサービスを探せばいいだけとはいえ「転職エージェントが唯一の希望」というような気持ちだったので「断られたら『お前は今の場所から逃げられないよ、そこ以外じゃいらないよ』ってことかな」と追い詰められる気がしていた。

 

ただ、勢いで登録してみれば何のことはなくて、登録してみた2社どちらも翌日には面談日程を決めましょうと連絡をくれた。

連絡をいただいて「面談日程確定」のメールを受け取ったとき、やっと「ああ、わたし転職する資格や需要があるって判断してもらえたのか」と少し楽に息ができた。

ついでに有給を取って動く自信がないヘタレなのでどちらも夜間や土日に面談をお願いしたのだけど、それもスムーズに何とかなって少し驚いた。面倒だから電話でと言わず会ってくれるんだと、向こうは仕事とはいえ嬉しかった。

 

 

それからもう一つ、今度は病院の方。

先に近所の内科にも消化器の不調で通ってはいるのだけど、不調が出たのは明らかに仕事の変化のタイミングからだし、何より思考回路のマイナスへの振り切れっぷりがそろそろ自分でも怪しくなってきたので病院に行ってみようと思った。とりあえずカウンセリング程度。

親には「病名がついたら後々マズい、薬漬けにされて日常生活にさえ復帰できなくなる!」とベタな反対を食らったけれど、良くも悪くもドライな妹が「体の病気と同じでなっちゃうものはなっちゃうんだし、勝手に素人が判断できないんだから行って判断仰ぐくらい良いでしょ」「診断がつくだけで安心できたりするじゃん」と反論してくれたらしい。

 

それを聞いて、私はうっかりすごく納得し、すごく救われてしまった。

そうだよね。「これくらい当たり前だ、こんなのみんな抱えてる辛さで軽いもんだ」と思ってたら、実は即休養が必要な相当マズいレベルかもしれない。

逆に「私のこんな思考、本気でおかしいのかな?」と不安に思っていても、実はまだ何とかなる入り口の段階かもしれない。

それを見極めることなんてできないくせに、勝手に心配して不安がってひとりで潰れていく方が確かにバカみたいだ。案外大したことがなければそれでラッキーだし。

 

というところで受診の決心は固まった。

あとは予約が最短でどれだけ待つことになるかだ。こういう系統の病院、病んでいる人はわりと多いから初診1ヶ月待ちとかもよくあるって聞くし。

とはいえ空き状況だけでも確認しておかないと、本当にマズいと思ってから1ヶ月空いたらしんどいよなぁ。

そんなわけでレッツテレフォン。簡単に症状と状況を伝えて診察を受けたいと言う。すると「なるほど。でしたらすぐだとこの週末のこの時間が空いてますが」とサラリとおっしゃる病院のお姉さん。

 

あれっ。週末、しかもそんな直近、空いてるの?初診で?あれっ?

元から「金曜午後か土曜日で」とダメ元でお願いしようとしていたので願ったり叶ったりなのだけど、自分に都合が良すぎてちょっと拍子抜けしてしまった。

そんなわけで、目まぐるしく一日の間で病院とエージェント面談をハシゴする日ができた。インドア派にとってこれはたいへん目まぐるしい話だけど、やっと思考と状況の停滞が動き出すかもしれないと思うとそれほど苦でもない。

 

実際に動き出せば、さらに情報が入ってきて目まぐるしくなるだろう。変化に着いていけなくて溺れかけるかもしれない。

あとは始めるのはどちらも「今の仕事から逃げる・心身を守る」ための行動なので、どこかからは「その行動力を今の仕事に生かさんかい」という自分の声も聞こえる。

だけどもう十分うじうじしたじゃない。動ければ楽になれるかなと足掻いてみたけど、動いても動けなくても苦しくて、それでも耐えて動く「正解」とやらが自分にはできなくて言えなくて体調崩して、どんどん溜め込んでたった2ヶ月でもここまで来ちゃったじゃない。

 

だからもう始めるのだ。戦略的撤退の準備を。逃げでもいいよ、事実撤退だもん。

見栄っ張りで怒られたくなくて、世間体や人の顔色を気にしがちなヘタレな私にどこまでこの孤独な戦いがうまくできるかは分からない。

それでも「診断書」なり「転職先」なり、状況を変えられる何かしらの武器を手に入れる可能性は作った。待ってても何も始まらないけど、とりあえず私は動き出した。

目指す方角はこの際なんだっていいのだ。止まるのがよくない。このまま留まるのがよくない。転がるのがどんな方向であれ、とりあえず動き出して変わり始めるかもしれない世界にくらい「希望」を持って生きたい。生きるよ。