褒められたいから退化したい。
歳を取るにつれて機会が減りつつあるけれど、いくつになっても、褒められるのは基本的に嬉しい。年齢的には大人と呼ばれる歳になりつつあるけれど、大人だって褒められたいよー、と思いながら過ごしている。
別にもうこの際、褒められるのは能力や資質じゃなくてもいいのだ。センスいいねとか、綺麗になったねとか、表面上のことでもいい。
昔は見かけのことを褒められるのは「自分の力に依るところじゃない」と苦手だったけれど、今となっては「こんな中の中くらいの凡人を褒めてくれるなら、ポイントなんてどこでもよくない?喜べるよ??」と思えてきている。
そのくらいには、誰かに褒めてもらうことに飢えている。そもそも褒めてくれるということは、自分の良いところを「見て、見つけて」くれているわけで、それだけでうれしい。
ひとり暮らしの今は、家族という自分を無条件に気にかけて見ていてくれる存在が近くにいない。知り合いも近くにいないこの土地で、わたしは誰にも見ていてもらえないんじゃないかと不安なのかもしれない。
実家にいた頃というより、今までは子どもだったから誰かに見てもらえていたのもあるだろう。基本的に子どもなんて、誰かに気にかけて見ていてもらえないと何をやらかすか分からない危なっかしい存在だ。褒めてもらったり叱られたりしないと、行動の善し悪しなんてなかなか身につかない。
それでも思い返すと、子どもの頃って褒めてもらってばかりだった。小学生時代は計算が早くて漢字が読めれば褒められて、中学生時代は反抗をせずに平和に過ごしているだけで褒められた。高校生時代は制服を着て歩いているだけで(私のようなオバさんに)存在を褒められた。
物心つく前なんて、今考えてみればどんだけ天国なんだろうか。自分のお名前が言えれば褒められ、あいさつができれば褒められ、おつかいができれば番組ができる。
きちんと食器を使い、残さずごはんを食べられれば褒められる。ひとりで眠れたり、自分でトイレに行ければ褒められる。もう何をしてもいちいち褒めてもらえる。
こんなんでこんなに褒めてもらえるんだったら、なんかもう退化してもいっかな?むしろ退化したいな?と思えるレベル。
我が妹がいつだったか「人生で好きなところに戻れるとしたら間違いなく幼稚園」と即答していたのも、笑えたけれど分かる。
「おやつを食べながら、カルピスを飲んでいたひとときの幸せさったらなかった」だそうで。カルピスを飲んで至福の顔をする4歳くらい当時の妹の顔が脳内再生余裕だったのでわたしもなおのこと笑えた。
それと、「あの頃はかわいい可愛いって天使扱いだったからなおのこと」だそうな。確かに可愛かったんだよなー。あの天使が数年後にはいつの間にか地上から消えていたことは今でも本気で惜しまれる。
なんて思うけれど、こういうことを考えると、タイムラインで見かけるこのへんの言葉が脳裏をよぎりもする。
あのね、人は未来が見えなくなると過去にこだわるようになるんだ by 細野晴臣
— Copy writing (@Copy__writing) 2017年1月17日
聞かれもしないのに過去を語るようになったらあとの人生は下り坂だって小3の妹が言ってた by すべらない名無し
— Copy writing (@Copy__writing) 2017年1月30日
うーん。わたしのこれは、今が行き詰まってるから過去に逃げてるんだろうか。
でも青春真っ只中で未来への希望しかなかったはずの中高生時代も、結構ああだこうだと過ぎたことを気にしていたから、わたしの性分な気がするしなー。
過去を振り返りすぎる、その過程で自分を分析しすぎる、これはわたしの長所であり短所でもあるなと思う。
ここについては思うところがぽろぽろと色々あるので、またの機会にまとめたい。
話は逸れまくったけれど、もうお先が明るいとか真っ暗だとかどっちでもいいので、とにかく誰かに褒めてもらいたい。そのためになら退化してもいいー。
と思うと同時に、退化せずとも自分で自分を褒められる人が幸せにリア充として生きていける人なのかな、とも思う。
それは、自分のいいところよりも悪いところを見つけるのが得意な、減点法タイプのわたしにはなかなか難しいけれど。
とりあえず、本当は無気力引きこもりニート気質なのに、今日も外に出て働いて、自分のお金で生きているだけでなんとか自分を褒めたい。
自分よりめちゃくちゃしんどい人なんてめちゃくちゃいっぱいいる。もうそれはよく分かってるし知っている。でもひとまずわたしのキャパシティの中では、今日もがんばった、わたし!
というセルフ茶番劇をかまして前向きに締めておこう、うん、少しは前向きだぞ、偉いぞー。この発言に精神年齢の退化を感じるぞー。
明日は今日よりちょっとだけまともになれてたらもうそれでいいや。それくらいで生きたいな。というただの願望と自己分析の公開書き殴りメモでした。
暦でも春の文字が見えてきて、少しずつ空気や日差しが柔らかくなってきた気がして嬉しいここ数日です。毎年ここからもう数回寒くなるから、まだまだ気を付けないとダメだけど。それでは今日はここまでで、おやすみなさいー。