入社9ヶ月目、とある新人の初遅刻
師走です。先月は3日に1度ペースで記事を更新していたのだけど、今月は10日経っても書けていないあたり「師が走る」12月を感じます。
さて、とうとうやらかしました。先日。
社会人の一人暮らし、最も恐れていた事態。
その前夜、わたしはいつもより1時間ほど早く眠りに就きました。よく寝られる〜と嬉しく思っていたくらいです。
ただその日は体調的に少しだけ気分が沈んでいたので、抱き枕を抱き潰しつつ、アロマディフューザーを稼動させ、ヒーリング音楽を流して癒し空間をセッティング。
つまり寝不足要素はなし。「なにこれ幸せ〜落ち着く〜贅沢〜」という気分の中で眠りに就きました。安眠快眠は約束されていました。
目覚ましベルは社用携帯の着信音
次に意識を取り戻した瞬間、わたしは異変に気付きました。
なんだかカーテンから差し込む日の光の色がいつもと違う。輝度が高い。
つまり普段より明るい。そう、例えるなら遅起きした休日の部屋の明るさ。
うん。
遅起きした休日の部屋の明るさ。
そして次の瞬間には、部屋に聞き慣れた社用携帯の着信音が鳴り響きます。
あれ、朝から社用のiPhoneが鳴るなんて珍しいなー。あ、そうか。休日に何かあった時の当番とかだったっけ?
そうこう思っている間に途切れる着信音。まったく休日に会社から電話なんて、今何時なんだろう?
ここで日付曜日時刻を表示しているデジタルの目覚まし時計をようやく見たわたし。
表示されているのは平日の曜日。
始業時刻を数分過ぎた時間。
…………………………。
……………………。
………………。
…………。
……。
…あ、これ、寝坊したんでは?
愕然としていると再度鳴り響くiPhoneの着信音。
反射的に出て、繋がった先は上司。開口一番の台詞は
「どうかした?無事?」
その心配が逆に辛すぎた。
「無事です寝坊ですご心配お掛けして申し訳ないです、とにかく今から向かいます」
電話を切ってから、電話の時間も込みで起きてから10分で支度して家を出ました。
おにぎりを口に詰め込みながら、最低限すっぴんに見えない化粧だけして。とりあえずカゴの一番上に積んであった仕事服セットを掴んで。
元々、中高時代はすっぴんがデフォルトかつ制服が用意されていたこともあり、よく起きてから5分なんかで家を出ていました。
しかし社会人女性の身支度時間がメイク着替え食事込み10分って。
わたしこんなに早く支度できたんだな?と感動さえ覚えたね。もう二度とあんな馬力は出せそうにないです。
平日の 午前の電車の のどかさよ
もう急いだところで間に合わない次元なので、駅までダッシュはしませんでした。というよりできませんでした。
外に出たら冷静になって、途中からはいつもの通勤気分だったのです。
そもそもよく考えたら寝坊する要素がなかったもん。
というわけで時計を見なければ遅刻の実感がなかったのです。というか時計という唯一にして絶対な現実を拒否していました。
それでも駅に近付くにつれて感じる異変。
自動車も駅を目指す人も、なんだかのんびりしてる。
それはわたしにとっては劇的ビフォーアフター。
朝のラッシュ時の殺伐とした空気は鳴りを潜め、平日午前に活動する奥様方、2限目に出席するのであろう大学生が、朝の0.8倍速くらいで歩いていくのです。
思わずわたしは「あ、この世界、好き」と思いましたね。
いつもより1時間遅く出勤するとこんなにゆったりした世界の中で通勤できるのか。なんだこの優しさに包まれた車内は。この時間の活動がデフォルトの職に就きたいーーー。
というか地方民のわたしが知らなかっただけで、都市部の学生はこんな時間に出歩けてたのかないいなー。
とか現実逃避していても、乗り込めば走り続けてくれるのが電車です。
家を出て数十分、気付けば会社の最寄駅に着いていました。
そして会社に重役出勤する新卒
そこからは一気に現実に引き戻され、駅から会社までは一転してひたすら競歩。
上司からの電話を受けてほぼ1時間後、会社へ到着。
まず電話をくれた上司へお礼したところ、第一声はにこやかな「早かったじゃん」でしたが、いや起きた時間が遅かったので無意味ですありがとうございました。
そして総務へも向かい、恐る恐る総務部長へ遅刻届をお渡しすると笑顔で
「寝坊かな?次は気を付けてね〜」
あっさり。それだけ。
逆にめちゃくちゃ、怖かった。
その日はその後淡々と業務を行いましたが、家に帰って冷静に絶望しましたね。
明日からの朝が怖すぎる。やばさしかない。
そんな時に家族からLINEが来たので返していたらぽろりと遅刻の件を話してしまい、なぜかわたしより両親が絶望。
母「社会人として情けない」
父「社会人としての自覚が足りてない」
うん、ごめん、父さん、母さん、そうよね。
とにかく父さん母さんの育て方は悪くないの、わたしの朝の弱さのせいなの、大変申し訳ございませんでした。
あまりに娘の不甲斐なさがショックだったらしい両親はその後しばらくモーニングコールをしてくれました。ありがたさと申し訳なさの板挟みでした。
少し経った今も思い出したように朝に電話をくれます。何かトラウマを植え付けた可能性を感じて申し訳ないです。
社会人の遅刻は死ねた
というわけで9ヶ月目にして、「社会人の遅刻」初体験をキメました。
最初の1年くらい、無遅刻無欠勤無早退を通したかった。
わたしの場合はっきりと原因も分からずただただ絶望に駆られただけだったんですが、それでも周りが気を使ったり心配してくれたりしたので「二度目はだめだわ」と思えました。
自分が怒られるより、周りに何か影響を与える方が精神的にしんどかったですね。
何より二度目が怖すぎて、3日くらいは次の平日の朝と夜寝るのが怖かったです。
またやらかさないように早く寝ないといけないのに、寝るのが怖くなるとかわけのわからないことになるのでよくない、本当。
年度末に向けて忙しくなると思いますが、みなさんはやらかすことなく頑張ってください。
俺の屍を越えて行っていただきたい、れにこでした。